台風19号災害による土地の相続税評価額、申告期限の特例

この度の台風第19号により被害を受けられた皆様方に、心からお見舞い申し上げます。

令和元年台風第19号による災害については、特定非常災害に指定され、租税特別措置法第69条の6(特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例)及び同法第69条の8(相続税及び贈与税の申告書の提出期限の特例)が適用されることとなります。

土地の評価方法の概要

災害発生日前(平成30年12月10日から令和元年10月9日まで)に相続や遺贈により取得した土地のうち、「特定地域」内にある土地の価額は、通常の相続税評価額によらず、「令和元年台風第19号の発生直後の価額」によることができます。

また、災害発生日以後(令和元年10月10日から同年12月31日まで)に相続や遺贈により取得した土地についても、「特定地域」内にある土地の価額は、上記に準じて計算することができます。

「特定地域」とは、特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域をいい、長野県は県内全域が該当します。

そのため、平成30年12月10日から令和元年12月31日までの間に相続が発生し、長野県内にある土地を相続した場合には、租税特別措置法が適用され、土地の計算方法及び申告期限は以下のとおりとなります。

「令和元年台風第19号の発生直後の価額」の計算方法

「令和元年台風第19号の発生直後の価額」は、令和元年分の路線価及び評価倍率に「調整率」を乗じて計算します。「調整率」は令和元年台風第19号による地価下落を反映したものであり、令和2年2月26日に公開予定です。

①路線価地域の場合
⇒路線価×「調整率」

②倍率地域の場合
⇒評価倍率×「調整率」

申告期限

相続人の中に土地の評価方法の特例の適用を受けることができる者がいる場合、申告期限は以下のようになります。

①相続開始日が平成30年12月10日から令和元年10月9日までの場合
令和2年8月11日(火)

②相続開始日が令和元年10月10日から同年12月31日までの場合
⇒相続開始日の翌日から10か月